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マーガレットの匂い


前回の「風媒花」(風で花粉を運んでもらう花)のお話の中で、虫に花粉を運んでもらう「虫媒花」って出てきましたよね。虫に寄って来てもらうために、いい香りや蜜を出したりするんですが、「マーガレット」っていい匂いじゃないんだよねって、かめきちの先輩がポツリ。そういうことなら、ちょっと匂いの分析をしてみようと思いました。

かめきちの同僚に、分析担当の人がいるので、匂いを写真のようなディスクに吸着させて、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)にかけてみました。IMG_1436

GC-MS:有機化合物の分析が得意な機器です。物質を構成しているいくつかの化合物の質量をそれぞれ測定し、その重さから、コンピューターに入っているデータ(ライブラリー)と比較して、その化合物がなんという物質で、どのくらいあるのかを調べる装置です。揮発性有機物質やダイオキシン類の分析に使われて、環境分析の分野では、大活躍する分析装置です。匂いの正体は有機化合物のことが多いので、この装置で分析することができます。


マーガレットの匂いからこんなチャートが取れました。

一番大きなピークが、「ミルセン」。その他「ジャーマクレン」「ピネン」三つのにおい物質が確認できました。もっとたくさんのピークがみられるので、他にもいくつかの物質があると思うのですが、当社のライブラリーでは、この三種類がわかりました。

「ミルセン」:ローリエ、ミツバ、セロリ、ヒノキなどに含まれていて、香料の世界では広く利用されている物質だそうで、メントールやシトラールを合成するのに使われるそうです。キクイムシのフェロモンで誘引物質。

「ジャーマクレン」:昆虫のフェロモンなので、多くの植物で生産されるらしい。

「ピネン」:ローズマリー、パセリ、バラや多くの針葉樹に含まれていて、香料や医薬品の原料になるらしい。

このうち一番大きなピークだった「ミルセン」についてもう少し詳しく。ミルセンというのは、化学名「7-メチルー3-メチレンー1,6-オクタジエン」の別名。分子式:C10H16(チャートにあるような形をしています)テルペンっていう有機化合物の中に、モノテルペンっていう化合物があって、その一種。αーミルセンとβーミルセンがあって、ミルセンというとβーミルセンの事を言うんだって。ミルセンは土っぽいムスク(じゃこう)のような香りでフルーティーな味。鎮静剤や筋肉リラックス剤として使われていて、大麻((@_@)に多く含まれているんだって。

余談ですが・・・テルペンは、ミルセンのほかに10種類の重要なテルペンがあって(生き物おじさんのようになってきたけど・・・)リモネン(シトラスの香り)、リナロール、アルファビサボロール、デルタ3カレン、ボルネオール、ピネン、ユーカリプトール、テルピネオール、カリオフィレン、シネオール。どれも、スパイシーな香りだったり、鎮静剤、殺菌効果があったりで、香料や医薬品の原料になるというのがわかりますね。

とっても興味深いんですが、終わりなき調査になりそうなので、今日はこの辺で。


話をマーガレットに戻すと、マーガレットにつく虫と言えば、「ヒメマルカツオブシムシ」「キクイムシ」をよく聞くんですが、今回は証拠写真が撮れなくて、そのほかにもいるかもしれないので、またいつかということで・・・。

確認できた三つの物質は、どちらかというと心地よい香りなんですが、合成されると匂いが変わってしまうんでしょうかね。こういった複雑な物質を、簡単に作り出してしまう植物の能力ってすごいですね(本人(?)にとっては簡単ではないのかもしれないですが・・・)

虫たちは、これらの合成された匂いに誘われるんでしょうか?それとも。ミルセンの香りだけを選んでいるんでしょうか?話ができるのなら聞いてみたいですね。蓼(たで)食う虫も好き好きって言いますし(^。^)y-.。o○

では、また。

 

 

 

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