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【第3回】テントウムシを知る(2)
前回のコラム、読んでいただけましたでしょうか?
ナミテントウの食べ物は、アブラムシだけではないのです。怖かったですね。
今回は、話をアブラムシ関係に戻します。
〇「肉食系」一家の合理性
テントウムシはどのくらいアブラムシを食べるのか、興味を持ったので調べてみました。なんでも、幼虫で1日20匹、成虫では100匹ぐらい食べるのだそうです。アブラムシは小さいとはいえ(ホオノキヒゲマダラアブラムシの場合;大きくても2mm)、ナミテントウだって小さいのですから(成虫で7mmぐらい)、これはかなりの量ではないでしょうか。
どのくらいかイメージするため、ちょっと計算してみます。
アブラムシの体長を2mmとすると、ナミテントウは自分の体長の3割ぐらいの大きさの生き物を食べていることになります(2mm÷7mm=0.286)。これは人間の体長(頭からしっぽの付け根までの長さ≒座高)を100cmとしたときには29cmの見当です(100cm×0.286=28.6cm)。体長30cm弱の身近な生き物といえば・・・まぁ、ネコの子供ぐらいでしょうね。
食べる速度の方も計算します。ナミテントウは昼行性(昼間活動する)なので、仮に夏場の活動時間を10時間としましょう。10時間で100匹のアブラムシを食べるとすると、6分に1匹のペースで食べ続けていることになります。探している時間やお昼寝の時間があるとすると、実際にはもっと早いペースになるはずですが、「ざっくり」いえばそのぐらい。
まとめると、私たちでいえば、子ネコを6分に1匹のペースで10時間食べ続けるようなものだ、ということになります。
・・・(絶句)。
面白いと思って始めた計算ですが、かなり怖いコトになってしまいました。
さて、前回お話しした、共食いの件をここで回収しておきます。
餌になるアブラムシを喰い尽くしてしまった場合、その近辺では餌が不足して全滅する可能性が出てきます。それではアブラムシがいなくならないように「食い控え」をするかというと、さにあらず。とにかくアブラムシをいっぱい食べてなかまの数を増やしておくのです。共食いさえできれば、いざという時、なかまが「栄養貯蔵庫」の役割を果たすわけです。餌が枯渇しなければ目いっぱい増える訳ですし、枯渇してきたら維持できるところまで数を減らす。大変合理的ですね。こんな賢いやり方は私たちも見習うべきかもしれません。
これを私たちにおきかえて考えてみると、
・・・(絶句)。
もう怖いからやめます。
(つづく)
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